「給排水衛生設備」とは、読んで字のごとく、建物の水に関わる設備全般を指しています。とは言え、水以外のもの、例えばガス設備、消火設備なども対象になっています。
建物を使う人にとって、給排水設備はあまり目立つ存在ではありません。しかも、設計者が色々工夫したり、悩んだりしたことが目に見える形で表現されることも少ないものです。しかし、建物を機能させるためには電気設備同様に不可欠なものばかりです。皆さんも簡単に想像できると思いますが、給排水のない、トイレのない建物なんて長時間滞在することは困難だと分かるはずです。
このように、建物にとって重要な機能であるため、災害時の対応も重要になる設備です。大震災時の水の確保や利用可能なトイレの確保など、設計者が検討、配慮すべきファクターが多く存在しています。
また、環境への配慮として果たす役割もあります。例えば、太陽熱や地熱を利用した給湯設備設計や、雨水処理、排水処理などの再利用設備による水資源保護など、設計者の知識とアイデア次第でカバーできる範囲はどんどん広がっていきます。
目立たない存在ではありますが、可能性の広がる世界の給排水衛生設備の設計に興味を持って触れてみてください。
|